『雑節』とともにすごす

本社スタッフのNですcrying

 

まもなく、うれしい夏がやって来る~

いや、その前に…憂鬱な梅雨を乗り越えないと…と思っていたら—

観測史上初!という短期間で梅雨が明けてしまいましたsmiley

いい大人になっても、やっぱりwinkの日は好きになれないので、

うっれしー!もんのすごーく!

だけど、地球温暖化の影響により、

災害レベルの暑さが日本列島を襲い、節電…

そして、winkが降らなければ節水も…

ここ数年は積乱雲も発生しやすくなっていて、

雷雨や雹に見舞われ、各地で被害も…。

とてもとても複雑な心境です

 

そうはいっても、季節はめぐっていきます。

そんなわけで、今回は日本の暦(こよみ)のお話です

 

日本には、春夏秋冬、移り変わる季節ごとに

とても素敵な表現(言葉)がありますよね。

カレンダーに記されていたり、気象予報士さんがお話をされたり、

このスタッフブログでも時々登場するのが

『二十四節季(にじゅうしせっき)』。

一年を二十四等分し、その区切りごとにつけられています。

「立春」「清明」「夏至」「大暑」「処暑」「白露」

「小雪」「大寒」など、おなじみの名前も。

 

また、季節の節目に五穀豊穣、無病息災、

子孫繁栄などを祈願し、神様へお供え物をしたり、

邪気を祓うなどの行事を行って来たのが『五節句(節供』。

「端午の節句」「七夕の節句」「重陽の節句」など、

カレンダーイベントになっているものが多いです。

 

そして、今回は『雑節(ざっせつ)』について—

あまり聞き慣れない言葉ですよね。

『二十四節季』『五節句』は春秋戦国時代、中国の黄河中域で発祥し、

日本には奈良時代に伝わり、宮中で取り入れられていたそう。

ただ、お気づきの方もおられるかも

『二十四節季』は日本の四季感にすこーしばかりズレが

これは中国と日本の気候の違いが理由とみていいようです。

 

農家が主体だった日本では、季節の移り変わりを把握する必要があり、

これらの暦は、目安としておおいに役立って来たようです。

けれども、中国の風土に合わせてつくられた暦ゆえ

微妙にズレが生じていることに気づいた先人たちは、知恵を集結!

『二十四節季』『五節句』を元に

四季の移ろいを取り入れ、日本オリジナルで誕生したのが『雑節』です

こちらも、カレンダーイベントとしておなじみだったり、

普段、耳にされてるものが多いですよ

 

■「節分」2月3日頃

「節分」は元々“季節を分ける”という意味があって、

実は四季すべてに存在するそう。

理由は—

季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられていて、

追い祓い、無病息災を祈願する儀式が

文武天皇の時代、宮中で執り行われていたとのこと。

室町時代になると、庶民も豆まきを行うようになったんだとか。

 

「節分」で邪気を祓う方法はまだあります。

鬼が臭いを嫌うものとして、玄関口に柊鰯を飾る魔除け。

実家で習慣にしていたこともあって、我が家でも実践しています。

また、地域によっては、にんにくやらっきょうを飾るそう。

 

恵方巻に関しては諸説あり過ぎますが—

江戸時代から明治時代にかけて、

大阪の花街で、商売繁盛を願って商人たちが食べていたのが

始まりという説も。

ちなみに、“恵方”とは、その年の福をつかさどる神様

「歳徳神(としとくじん)さま」がおられる方角をいいます。

 

■「彼岸」3月20日頃/9月23日頃

春分の日と秋分の日を中日(ちゅうにち)として、

前後それぞれ3日間を合わせた7日間が「彼岸」です。

仏教用語で「彼岸」とは極楽浄土。

私たちが居るところは「此岸(しがん)」。

彼岸は西、此岸は東にあるとされ、

春分と秋分は太陽が真東から昇り、真西に沈むことから

「彼岸」と「此岸」は通じやすくなる—

つまり、ご先祖さまをお迎えし、お送りすることができる。

という考えから、先祖供養をするようになったそうです。

 

■「社日(しゃにち)」3月中旬/9月下旬

生まれた土地の神様「産土神(うぶすながみ)さま」や

守護神を参拝する日。

春の「社日」は種蒔きの頃、秋の「社日」は収穫の頃。

そこで、春は五穀豊穣を願い、

秋の「社日」では収穫に感謝する習慣が受け継がれているそうです。

 

■「八十八夜」3月中旬/5月1日頃

立春から数えて88日目。

「八十八夜」といえば、お茶ですよね。

冬の間に養分を蓄えた茶葉は、春になって芽吹き始めます。

そして、いち早く芽を出した茶葉を収穫したお茶が

新茶、もしくは一番茶。

値段もお高いけれど、栄養価も高くて、

「病気にならない」「長生きできる」という言い伝えがあります。

 

■「入梅」6月11日頃

暦のうえで、梅雨入り。

でも、なぜ「梅」という文字が入ってるの!?

答えは— この時期、梅の実が熟す頃だから。

うーん、じゃあ雨と梅の関係性は!?

答えは— 農家の方々にとって、田植えの時期はとても大事。

梅雨に入る前に終えていなければなりません。

もちろん、やがてやって来る長雨は、稲たちにとって恵み。

とはいえ、天気予報なんてない時代。

長雨は作業に支障ありありですよね。

そこで!「梅が熟すと長雨になる」。

つまり、これが重要な暦代わりだったようです。

自然の恵みに着目し、季節の名前に取り入れる…。

素敵な風習だと思いませんか?

 

■「半夏生(はんげしょう)」7月2日頃

はい!いよいよ明日迎える『雑節』の登場です!

こちらも、農家の方々にとって重要な日。

長雨(梅雨)が明けるこの時期、大気が不安定になりやすい。

天候不順は収穫に悪影響があります。

それまでに作業を終えておきましょう!

という暦代わりだったのかもしれませんね。

 

関西人にとって「半夏生」の主役はタコです。

田植えを終えた農家で、神様に捧げたのが始まりだとか。

タコの吸盤のように稲がしっかり地に張ることを願って。

福井県の一部地域ではサバ。香川県ではうどん。

長野県では芋汁をそれぞれ食する習慣があるようです。

 

■「土用」年に4回/立春・立夏・立秋・立冬までの約18日間

「土用」は五行思想による暦の分け方だそう。

万物は木・火・土・金・水の5種類の元素から成るとされ、

季節の変わり目に当てられた「土」から「土用」が来てるとのこと。

 

そして— 「土用」の期間にめぐって来るのが「土用の丑の日」。

と聞けば、もぉ鰻ですよね。

じゃあ、なぜ「土用の丑」の日に鰻を食べるの!?

これまた諸説ありますが…

有名ないわれは平賀源内が提案した説です。

鰻の旬は冬。夏は売れない…と困っていた鰻屋さんに相談され、

『「丑の日」は「う」から始まる食材を食べると夏負けしない』

という風習にならい、鰻屋さんに張り紙を出すようアドバイス。

お見事です!!!

「江戸のコピーライター」ともいわれる平賀源内にならって、

コピーライターの端くれの私も頑張らないと!

 

■「二百十日」「二百二十日」9月1日頃/9月11日頃

いわずと知れた台風襲来の日ですね。

立春から210日/220日をいいます。

時代が移り変わり、世界中の叡智をもっても

古来から変わることなくこの時期は台風に見舞われる…。

自然のチカラにはなかなかかないません…。

日頃からの備えに努めましょう。

 

以上、『雑節』をご紹介しました。

先人たちが四季折々の移ろいを取り入れ、美しい言葉で伝承して来た

日本ならではの暦。

カレンダーイベントや食生活に活かされ、

私たちの生活とともにあることがおわかりいただけたと思います。

ちょこっといわれを知ることで、日々の暮らしを豊かに。

そして、ラッキーハッピーいい毎日をおすごしくださいね。

 

 

 

 

 

 

 

 

カテゴリ一覧